
和食がユネスコの無形文化財になって、日本の食文化を記録したり、習慣を残していくのは、親世代が戦争中子供だった私たちの世代にできる仕事かもしれないと思っています。
写真は、おせち料理です。この他に家族が作ってくれたお煮しめや昆布巻きがあり、伝統的にお正月食べるといわれている料理がそろいます。
毎年、中身はほとんど変わらないけれど、また一年が始まるという感じが、これを食べてようやく実感するようになりました。歳を重ねると、新年がやってくるのが、妙に早く感じられて、なんだか、新鮮味もなくなり、、、、という雰囲気が自分の中にあるのが、よくないことだと思っています。よし、ひと踏ん張り、という気持ちで家族や親族のために準備することが自分の仕切り直しにもなるのかなあ。
私の家では毎年、毎年決まったものをいただいて、一年を始めるということをずっと続けています。大晦日は、年越しそば、新年あけまして。。はおせちです。親族の集まるのは、お正月と限られた日だけになってしまい、久しぶりに会うのが楽しみです。
お歳暮でいただいたものなどを大事にとっておいて、盆にならべていきます。この盆を囲む若い人から年配まで、どこから見ても楽しいように、毎年気遣いながら盛り付けます。
ひたし豆は、お正月だけの数の子でグンとおいしくなり、この日にだけ食べるものが漆器のお皿の上に並びます。漆器は、おせち料理を美しく見せる魔法の器です。漆器は、水につけておくと、割れてしまったりしますので、やわらかいもので、さっと洗って、よく乾いた布できれいに拭いて、傷をつけないように漆器専用の和紙の袋に包んで大切にしまいます。艶やかで深い漆黒の盆を出して、またしまうという儀式。そういえば、日本の和紙作りも無形文化財になりました。お正月は、博物館みたい。漆器もぜひ、無形文化財にしてほしいと思います。私は会津塗りの漆器をいくつかいただいたのですが、木地や塗り込み方にはいろいろなものがある現代、シンプルでも丁寧に本物を仕上げたものは一生ものです。そのため、大事に管理して美しいまま次の代に引き継ぎたいと思っています。
節約節約とがんばる日々です。晴れ晴れしいお正月をひとふんばり、今年も行うことができたのが本当によかった。走り回って生活しながら、それでもなんとか少しずつ絵を描いたり。。1年を祈願するお正月の大切なひとときです。
