・・・Postman Cheval ~ 思いつきと日常

Why do I began? . . .

The beginning of my story...

なんでこんなことをしてますか?。。。

私のおはなしのはじまり

 


I also want to live like that. .

from the encounter with The Story Of 

"Postman Cheval's Ideal Palace - Hauterives-France".

 

After 10 years,

I went on a journey of France by myself.

(in 2012)

 

自分もそんな風に生きたい。。。

フランスのシュバルさんのおはなしとの出会いは、

子どもたちと読んだ絵本からでした。

それから10数年後現地に行くことができました。

 

これは2012年の回想録です。

 

 

小さい頃からなんとなく思い描いたお話作りを

2011年から始めることに決めたのは、

ふるさとで大きな災害が起こって、

世界が変わっていくことを実感したからです。

今思うと時代の変化を受け止めながら

物語を人知れず作り続けることが、

自分の仕事になるような気がしていたのかも知れません。

 

お話作りと絵を再開した翌年、

念願の場所を訪れて私が得たのは、

人の生き方や何かを残す時に大切なことは何か、

という問いです。

シュバルさんが、日々の仕事を全うしながら、

この世界を自らの創造として積み上げたお城は、

芸術や建築などの専門的な学問をしていなかった彼が、

なんと40年構想でコツコツと作り上げた不思議な空間です。

現存する造形に圧倒されつつも、

私もできることからはじめたら、

いつか実を結ぶこともあるかもしれない、

私の中に生まれた問いに答えを得ることがあるかもしれないと

信じることができました。

 


 

フランス オートリーブス 理想宮 2012.11

 

2012年、偶然いただいた旅行券で、

思いきってフランスに一人旅することになりましたが、

若い頃の旅行のあと、ずいぶん久しぶりであるし、

一人旅ということになると、

あーでもない、こーでもないと考えているうちに、

半年もかけて準備することになりました。

 

私が一人でフランスに行くことを、賛成し、

協力してくれた家族に深く感謝しましたが、

海外を一人というのは初めてでしたので、

躊躇している間に夏が終わってしまいました。

何人かの友人といろいろ調べました。

調べるのが私よりずっと得意だからです。

 

彼女たちは、いくつかのとても不思議なことに気づいて

私に教えてくれました。

そのお城が出来上がったのが、

ちょうど100年前であったこともその一つです。

 

限られた予算の中で、フランスはたった3日間。

直前のギリギリまで、旅程の確認が必要なこともあり、

旅行社の方には、再三の変更やお願いに対して

とても親切に対応してくださったことにも感謝を。

 

今でも、あの牧歌的な晩秋の丘陵地、

遠く開けた景色の中をスクールバスで移動して、

たくさんの子供たちと一緒に終点で降りた時に

冷たく澄んだ空気を吸い込んだことを

思い出すことができます。

 

 

 

実際に現地でそのお城を見た私は、

彼が城作りを始めたそもそものきっかけが

印象深く心に残りました。

シュバルさんは、ある日、躓いた石に心惹かれ家に持ち帰り、

それからひたすら石を集め始めました。

彼は、はじめに掘り起こしたその石の

姿形にどのようなイメージを得たのでしょうか。

奇妙な形をしたその石は、

現存していて見ることができました。

私は実際に見てみて、不思議な造形に驚きました。

それは、一般的に、美しいとか、ユニークである、

という一言で言い表すことのできない、

より科学的な感覚で訴えてくるもののように思えました。

その土地の成り立ちや地質。

与えられた環境の中で長い時間かけて出来上がるもの。

 

そこから生まれてくるイマジネーションから、

遠い異国の歴史や未知の世界の生態系。

実際に見たり触れたりしたことのないけれど、

きっとどこかに存在するに違いない

植物や生き物たちを想像することに、

つながっていったのではないかということが伝わってきます。

 

彼は、将来への40年構想で始めて、

大変な困難と出会いながら、

決してあきらめずにお城を完成させました。

世界中の生き物や文化を融合させた不思議な建築です。

人間の想像力の豊かさ、

モノを造る力の迫力に圧倒されました。

というのも、

彼は一生自分の地元から外に出ることがなかったようです。

毎日が歩き続ける旅のような生活だったのでしょうか。

テレビもパソコンも、

写真ですらほとんどない時代です。

本にすら絵が少ない時代でしょう。

どうやって、想像していったんだろう。

人の想像力は面白いです。

 

その時代にはなかった

インターネットや世界の情報共有力が、

私をそこに連れて行ったということ、

唯一無二の個性を生み出すことが益々難しくなる

時代の流れに逆らうように

整然と残されている様を見ることができました。 


ひとり旅をささえた悪戦苦闘の旅ノート~フランス語ばっかりの電車とバスの乗り換え、現地で電車のチケットを購入しながら解読した時刻表、一つ間違えば、そこでUターンもありの旅でした。

全くもって、この時の旅で私が発揮したクソ力というか、衝動を実現してしまったパワーの源というのは、あとあと考えても、いったいどこから生まれたのだろうかと不思議な導きを感じます。

この時の旅程はギリギリで、しかも語学の壁や思いもしないトラブルが次々とやってきて、ほとんどのことは、駐在の日本人の方や現地の人たちの助けによって可能になりました。

携帯が突然使えなくなった時、最前の方法を教えてくださった現地のデスクの方、電車が止まった時に一生懸命乗ってはいけない電車を教えてくれた少年や、窓口の方と携帯で話して後続電車の手続きをしてくださった保険会社の方、バス乗り場を探す私の拙い英語にでも答えてくださった電車を同駅で降りた方、降りるべき停留所を教えてくださったバスの運転手さん。

整ったヘルプ機能のおかげで、いろいろな人たちに声をかけて助けを求めることができました。そのたびに、不安で困っている私に対して、できる限りのことをして助けてくれた、一人ひとりの方たちへの感謝は、今も一番の思い出として心に残っています。

それは、私が実現したい夢そのものにも、ふだんの生活にも言えることです。人は、認識するかどうかにかかわらず、多くの人の助けをもらって歩いていることを、道を踏みだすたびに思うようになりました。(旅後記)


 

少しずつ制作に専念できる環境になりつつあります。

(再編集2020年4月)

(加筆2023年11月)

 

旅の思い出から時間が経って、さらに多くの情報も得ることができました。興味を持って世界を見ると、すごいすごい、あちこちに。長い時間埋もれるようにして、静かに夢を形にした方たちがいます。

どうやって一人でこんなものをと思います。魅力の凝縮はポツポツと残されている。他の誰にも共有できそうにないイメージ(こんな変なことを。と自分でも思うこと)をユニークに構築しようと思ったとき、たぶん長い時間をかけて、静かに積み上げていく作業が孤独とともに続きます。

 

けれど、孤独が作り上げる世界には魅力的な個性も生まれるかもしれません。

 

2019年、シュバルさんの映画ができたようです。多くの人が彼の生き方に何かを得るでしょう。私のしようと思っていることなど、ささやかです。

かなえてみたいと思います。そして、たくさんの人の夢もかないますように。

 

2020年、新型のウイルスのパンデミックにより、世界の表情が全く変わってしまいました。とても不幸なことが起きています。今までとは違う生き方を求められることになるのでしょう。明日が同じ一日であるということもありません。思考や行動を変えていくということ、その中でも、自分で積み上げていくことのできる未来もきっとあるはずです。

 

2023年還暦、思いついたことを形にしていくことは、気づいたら日常生活の一部になりました。このことを始めた時私は48歳、いつか仕上がった作品の世界で過ごす晩年を夢見ていました。

しかし、今こそが私にとって全てなのだと、歳を経て悟ることになりました。いつか叶う夢ではなく、私は好きな時に行くことのできる世界を持ちました。

 

All those moments will be lost in time, like tears in rain.

byロイさん BLADE RUNNER 

※20代の時に映画館で観た映画のワンシーンを忘れたことがない。

俳優さんのアドリブだったかもしれない言葉です。

 

毎日私が自宅に帰るかのように描いている世界も私と共に消えます。

今、この時間を大切にします。その世界で息ができるのは今だけです。

時代ごとにたくさんの困難はあり、絵を描くこととは別に働き続けます。

絵を描いたり、おはなしを綴ったり、形にしていくことはとても時間がかかります。毎日、できることをするだけ。

忙しさとありながら急ぐこともなく、その日その日を努めていくこと。

たぶんそれが、私が思いをかなえたひとつの方法なのだと思います。

 


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