自分で本を作ってみたらどう?と思った。~ 2014.秋から

絵を再開して3年すぎた2014年の秋は残暑も厳しく、テレビを観ながら、ウチワあおいで「あちーあちー」と言いながら、自分はできないくせに囲碁番組に妙にはまっていた私、すこしずつ秋らしくなってくる季節の変わり目の頃です。

※予測解説と実際の対戦進行の結果がものすごく興味深かった。本当は、囲碁や将棋の楽しみの本質はここにあるんだと感じたのです。

相撲や野球のできない人たちが瞬間的に対戦予想して楽しむのと同じ。

 

この文章を書き換えている2024年から顧みてもついこの間ではあるけれど、囲碁にAIが参戦し、ほんの数年でなんという時代の変わりよう。

しかし、古今東西さまざまな対戦が行われている中、誰が一番強いのか、そういうこと以上に人間の興味は別なところにあると感じています。

 

そんな驚くべき時代は横においといて、私は手製本のお教室にトコトコと通うようになっていました。

 

その後まるみず組さんで、本格的に和・洋書の手製本の基礎を会得しました。

本の構造は様々ですが、人がデータを残すためのハードディスクとして優秀な本は、古今東西で精密な構造。そんな中和本はシンプルで、過去から未来へのお便りに近い世界観だと感じました。

 

この頃2年間は、カフェテリアで自己修行したりして、体をよく動かしつつ新しい知識や技術を吸収できた時期でした。店を開くということの本質を俯瞰から見れる飲食店のバイト。その後の私の活動の向かう方向を照らす羅針盤になりました。シンプルに描いたり作ったりすることに決めました。絵を描き続けること自体もアナログに進める決心をした時でした。デジタルには助けてもらいますが。

野菜や草花、生き物など、自然を生活に結びつけて、心を豊かにすることを学んだりしていくようになりました。

 

ちなみにここに飾っているのはムカゴです。ツルの葉っぱ。山芋みたいな味の小さな実がなります。ムカゴごはんって聞いたことのある人は少ないかもしれませんが、意外と身近に生えていたりして、びっくりです。ちょっと摘んで持って帰りました。

2024年現在、当時ムカゴを摘んだ場所もすっかり景色が変わり、その頃当然にあった景色もじっと思いに沈まないと思い出せないものになっています。2020年からの数年間のステイホームは、まるで目隠しをされていたような感じ。

 

私は、そんな時代の移り変わりも関係なく小さなアトリエで絵を描いていた。さらに時代が変化していって、私の絵本は一体どのように仕上がっていくでしょうか。

 

2024.6 加筆 

 

古本の修繕から改装本へ

 

見えないところにこだわった最も丁寧な改装本を学習しました。

分解して、補強したり、再度目引きして芯糸にかがりつけた折、クータや花布も使用して角背、布表紙。布は、コーヒー染め、布絵の具で着色。

もとの紙表紙から切り抜いたタイトルと、私のトリの絵をぞうさんペーパーに貼り付けてアレンジしたデザインにしました。

古本をオリジナルに修繕できるようになって、自分の本もオリジナルでデザイン製本できるようになるのが目標。

三冊目の芥川龍之介さんはイラストを自分で描いてみましたが、またまた自分の作業の欠点や、新しいことを学んで、まだまだ初心者、いろいろやらかしてしまいました。2015.10~2019.7

 

 

 

はじめて作った手製本たちから~

豆本や古本の加工、修繕など、基本的なことを学習することは新鮮な楽しさを与えてくれました。静かに作業する時間がとても好き。 

 

絵を再開してから紙の楽しさを知りました。。。。

 

2014年初夏、絵を再開してからそろそろ3年に近づく頃、本をしょって立っているポーズの男の子がはじめて描けた。これぞイメージ通りかな、、、って思ったとき、google+で外国の人にはげましてもらった思い出があります。3年で描けたのか、よしもっと描きなさいって言ってくれた言葉は大きかった。今はそれからまたさらに手直しして絵が変わってきました。Google+では、見ず知らずの外国の方が絵を売らないかと言ってくださったこともあって、描くということだけではなく、シュバルさんのお城を見に行ったり、東京やNYに出展する勇気のもとになりました。ホームページも長年かけて少しずつ清美して評判上々です。

 

絵を描いたり、編集したりする仕事を経てから、子育て中に勉強して、PCのインストラクターの資格と事務的スキルは持っていた私ですが、SNSやHP、ソフトウエアを独学で使うようになったのは2011年からです。

思い立った当時は空っぽだった状態から、一人でいろんな展開に右往左往しましたから、周囲の人たちは、おやおやとあきれていたようです。

 

絵をかくために自分なりに材料を集めているうちに、やぎさんや象さんのウンチで紙を作っている人たちがいるのを知って、感動して、使ってみたら面白かった。伝統和紙を見つけたり。そうしているうちに手製本への興味が高まりました。その後、和紙の手漉きをする機会もありました。デジタル印刷のできる和紙を利用したりもします。

 

手触りや質感の豊かなこれらの紙は、もともとの紙の歴史をたどる貴重なもので、出会うたびに喜びを感じます。

素晴らしいものに出会えたなぁって思います。

 

それぞれの人生に、手触りや自然の醸す香り、子どもたちに絵本を開いて見せてあげる、そういう文化が続くことに小さな貢献をしたいです。

私の手製本はじめ2
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